こひつじのひとりごと その114

 高校で非正規教員(非常勤講師)として勤務する方のお話です。その方の父上がお亡くなりになった際の忌引中、管理職から突然携帯に電話が入りました。そこで、非正規雇用に対しては有給の忌引休暇はなく、無給となる旨を告げられたそうです。驚いたのは、そうした取り込みの最中であるにもかかわらず、お悔やみの言葉がひと言もなかったこと、内容が単に用件のみの通達であったこと、無給であること、それはそれで構わないものの、なぜその通達が錯綜する最中であったのか、愕然としたとのことです。社会常識のわきまえが完全に欠落した学校の姿がそこにあります。  先のお話、その方が愕然としたのはそれだけではありません。父上がお亡くなりになった当日、電話口に出た別の女性管理職は、欠勤理由を聞いて次のように反応したとのこと。

「あっ、は〜い。わかりました。はい、は〜い」


 その意味不明な快活さに、体が震えたとのことです。それは、至極当然のことでしょう。  学校にとって非正規教員は単なる埋め合わせ的存在に過ぎないのでしょう。世の中がいう教員不足など実はどこ吹く風、それは証拠に、雇用に係る5年の壁は厳然と存在し、優秀な非正規教員のほとんどは、いわゆる雇止めの憂き目に遭遇しているのが現状なのです。  モンスターペアレントがどうこうなどと、泡を飛ばして声高に叫ぶ以前に、襟を正すべきなのはむしろ学校側の方ではないでしょうか。

2025/8/7更新